「あー、怖かった」

「何がでござります

 か」

 鋼鉄がごとくガチ

 ゴチの彼が、カチ

 リカチリと首を傾

 げる。

 「鬼。河賢だって

 怖かったでしょう

 が」

 「なぜですか」

 彼はぱちくりぱち

 くり、まばたきす

 る。

 「なぜって……鬼

 だよ? こんなに

 固くなってて怖く

 なかった訳ないで

 しょう」

 緊張しきっている

 彼の甲羅を、ぱし

 ぱし叩く。