ともかは河童に抱 きついた。立派な 鼻の筋肉質な鬼が 赤提灯を揺らして カッと牙をむいて いる。 「こりゃあ良い提 灯ですな」 河童は体を硬直さ せつつ、目を輝か せる。 「そりゃあそうじ ゃ。カラス天狗の 魂を籠めたもんじ ゃて」 「ほぉ! 素晴ら しい」 彼が褒めると、鬼 はかっかっと大口 をあけて笑った。 「道案内に最適じ ゃ、どうだね」