紛れもない川の中 なのであるが、ク ーラーのきいたデ パートを歩いてい るような快適さだ 。どんなにガタガ タした地面を踏ん でも凹凸は感じら れないし、瓜系の 匂いが涼しい。 「どうですか」 「快適」 腹を使って片手で 傘をすぼめながら 答える。 「それはようござ りました」 きゅっと水掻きに 力をこめて、彼は 頬を染める。すぐ に赤くなる奴だ。 ともかはぷっと吹 きだして握り返す。