サオを投げだして

 河童は起立した。

 「いる……?」

 ぶんぶん首をふる

 。ぶんぶん皿がず

 れる。花びらが宙

 を舞い、地面に落

 ちる前に空気に溶

 ける。

 「デートを致しま

 せんですか」

 「は?」

 河童は内股になっ

 てもじもじした。

 「交換市があるの

 です」

 交換市?

 「各地から様々な

 方が参られます。

 いらぬものといる

 ものを交換するた

めの市であります」