「別れ話ししてん

 のに、泣かないん

 だね」

 それはこんな別れ

 話を聞くはめにな

 るなんて、想像さ

 えしていなかった

 からだ。コーヒー

 カップを持ちあげ

 て彼は片頬だけ緩

 めた。

 「実は試してたん

 だけど、残念だよ

 。一年も音沙汰な

 しなんて、おまえ

 本当に浮気してた

 んだな」

  そんなわけある

 か。

  ともかはポカン

 とした。