「あなたの唇は、 毎度いろいろで素 晴らしいです」 「口紅が好きなの」 彼はコクッと頷い た。彼女はバック から未使用のルー ジュを取り出し、 箱のまま差しだす 。あまり気に入ら ない色で、なんで こんなの買ったん だろうと眉をひそ めた一品である。 洋二フィーバーの 最中に購入した物 だ。誰かにあげよ うと持ち歩いてい たが、河童にあげ る事になろうとは。