夜明け前の濃いブ

 ルーが、窓からふ

 わふわ漂ってくる

 。今よりも少し小

 さかったヤシの葉

 が揺れていた。ふ

 かふかとした睡魔

 に、指先から絡め

 とられていく。ま

 ぶたはかっちりと

 おろされて、もう

 あきやしない。

 「てことでさ、あ

 と少ししたら結婚

 しようよ」

 結婚……。

 「れんこん」

 ろれつがまわらな

 くなった口で問う

 た。