ベランダが寂しい からと彼が買って きてくれたのだ。 「観葉植物の似合 う家庭っていいよ ね」 彼の声が耳によみ がえる。薄暗闇の なか、裸になって 、アジのひらきみ たいにぐったりベ ッドに並んでいた 時のことだ。 「子供は五人で、 俺は男の子がいい」 眠気の押し寄せる どろんとした沈黙 を破って、彼がこ んな風に言った事 があった。ともか はゆっくり上下す る自分の胸を眺め ていた。