「理由があればい

 いんですよね」

 「そんなにとんが

 る事ないでしょ」

 田辺さんがくすく

 す肩を震わせる。

 「こんなことで怒

 ると損だよ。略奪

 される男なんて大

 した野郎じゃない

 んだからさ、いい

 じゃないよ」

 「そうそう。せい

 ぜい見物させても

 らおう」

 「見物料が高いで

 す」

 ユキちゃんがぶす

 りと呟く。

 「ともかも出席し

 なさいね」