村山…亮。確かにカッコいい。
黒に近い茶髪。長いまつ毛にキリッとした眉。よく通った鼻筋。この村山学園のワンポイント入りのYシャツに、灰色のチェックのパンツ。赤っぽいネクタイに紺色のブレザー。
全てが似合っていて、まるで彼のためのもののようだ。

「…のん、かのん、果音ー!!!」
「…あっ!ごめん!気づかなかった!」
「もー!どうしたの?なんか考え事?」
心配そうに聞いてくれるさな。
「と、特になにも。心配かけてごめんね!」
「そ?ならよかったけど。
…そ・れ・に・し・て・も♡村山亮、カッコ良くない?」
「う…うん。まぁ…ね」
突然の質問に素直に答えられなかった。
「やば~い!あたし、好きになっちゃったかも~♡♪」

そんなの…そんなの私もだよ。
一目惚れなんてありえないって思ってたけど…


てか、ライバル多いよね~。むしろもう彼女いたりして。

まぁ…その前に、私が相手される訳もないか……。

この入学式で代表の言葉を言うのは入試トップのみ。って事はつまり、村山亮くんは入試トップだったって訳か…。

私なんかギリギリまで焦って勉強してなんとか村山学園に受かったんだから、勉強面ですでに相手にされないよね−−−−


「はぁ…」
またため息が出てしまった。

村山亮くんの話が始まる。



ぼーっとしてて、正直話がわからない。
こういう場の話って長いから覚えてる話は0に近いと言っても過言ではない。

だから村山くんと話す内容も作れない…なんて考えてると、入学式は終わっていた。



教室に帰ってきて、席につく。席順は後ろがさなで、隣が…−−−−