入学式のため、体育館へ移動をするのでクラスごとに名前順に並ぶ。

私は真ん中くらい。瑠衣は後ろの方だから、話し相手がいない。
人見知りも困ったもんだ…

「はぁ……」
大きなため息をついてしまった。

「花崎…さん?」
突然後ろから呼ばれた。
「は、はい?なんですか…?」
「あたし、樋泉さな。さなって呼んでね」
「わ、私は花崎果音です。よろしくお願いします!」
「敬語じゃなくていいよー?こちらこそよろしくね」
「はい!!」
「だから敬語じゃなくていいってば~」
「は…う、うん!」
「「あははっ」」
2人で笑った。


「おい!そこの真ん中2人!静かにしろ!」
担任の田中先生に怒られてしまった…

「「すいませんでした」」
またしても2人でハモった。

「田中先生、怖いね」
さなが小声で言った。
「そ…そうだね…」



体育館−−−−

『これよりー第○回、山村学園入学式を始めます。全員ー起立!』
皆が一斉に立つ。それにしても…隣にいるさなは身長がかなり大きい。170はあるのかな?

『礼! 着席。』
今度は座る。すると校長の話が始まった。うーん。長そうだなー。てかこの校長、山村っていう名前なんだ!だから山村学園なのか~!

『それでは、生徒代表の言葉。1-B村山 亮!』
む…むらやま?村山って、あの、村山?

なんて考えてる暇もなく、
「キャーーーーーーー♥」

語尾にハートが着くような高い声で、周りの女子たちが叫ぶ。

「ねぇ…果音?あの村山 亮って人、そんなにカッコいいの?」
「さぁ?顔見たことないからわかんないや…」

『では、村山亮くん、お願いします。』

先生がそういうと男子生徒が舞台に立ったのが見えた。
その人が村山 亮−−−