由美を探して裏庭に行くと、陽と由美がなにか話している。
あたしは……
悪いと思いながらも木の影でそっと、見守った。
「由美……。悪かった。全部俺のせい……。本当にごめん」
「ヤダなぁ……。陽くんのせいじゃないよ」
「でも……」
「でもじゃない!! あたしは陽くんと絢が付き合ってくれて嬉しいよ」
由美……。
つらいのは由美なのに、いつも通り明るく話している。
ごめんね、由美。
気づいてあげられなくてごめん……。
「陽くんのことあたしはまだ好きだよ……」
「由美……」
「大丈夫!! そんな顔しないで。あたし、絢に嘘ついちゃったの。颯太が好きだって……」
「なんで?」
「絢と仲よしのままでいたかった。絢との関係を壊したくなかった……。それってあたしが陽くんより絢を選んでたってことでしょ?」
陽よりあたしを?
由美の言っていることはわかった。
陽を好きでいるより、あたしとの関係を守りたかったと。
「ずっと思ってたの。もしかしたらね、陽くんと絢は出会ったときから……お互いのなにかの魅力に惹かれてたのかもしれない」
出会ったときから?
由美はあたしが陽のことを好きになるって、わかってたのかな……。
だから、あたしに言えなかったんだよね……。