次の日は嫌がらせもなく……安心していた。
しかしそれもつかの間。
またすぐに嫌がらせがはじまった。
いつものように登校し、上靴に履き替えようと下駄箱の扉を開けると……
ゴミがたくさん詰まっていた。
なにこれ、マンガみたい……。
靴は汚され、扉の内側には紙が貼ってあった。
【陽のカノジョとかありえない!!】
【彼女なんて認めない!!】
【さっさと別れろ】
【死ねば!?】
【どーせ陽に遊ばれてるだけ!!早く気づけ!!】
酷い言われよう。
この貼り紙にも驚いたけど、いちばん驚いたのはあたしの反応だ。
あくどいやり方……。
我慢しよう。それであと2年経てばいい。
「最初のときよりひどくなってるね」
「由美……」
あたしのすぐ後に登校してきた由美と下駄箱であう。
またすぐ後に奈菜が登校してきた。
「他のクラスの子に聞いた。最近1組に陽くんが通ってるのを瑞希が見たらしい。それで一緒に下校してるのを知って……」
「だからって付き合ってるってことには……」
「遊園地でデートしてるのを見た。ってことを瑞希に報告した子もいるみたい」
「そ…っか……」
あたしの気落ちした声に、
由美は元気づけるように笑顔を見せてくれた。
「認めなくて結構! あたしや奈菜、桜樹は認めてる!!」
「由美……」
「絢! あたしたちは味方だから!!」
「奈菜……」
「「泣かないでよ?」」
「ありがとう……」
教科書を破られても、
上履きをぐちゃぐちゃにされても、
クラスでいじめられても……
あたしにはふたりの親友がいる。
こんなあたしを想ってくれる人がいる。
だからどんなにいじめられたって平気……。
そう思っていると……