放課後。
今日はあたしと、由美、奈菜でゆっくり時間を過ごしていた。
屋上はぽかぽかあたたかい。
「だれだろうね」
「前にクラスに絢を見に来た子じゃない?」
「いや、あの子たちにそこまでする勇気はないよ」
由美と奈菜は犯人を捜そうと考えている。
あたしはボーっと空を見る。
犯人がわかったら? あたしはどうするんだろう。
怒る? 泣く? そんなこともわからない。
「あ……由美ちゃんって、一ノ瀬くんのファンクラブの会長さんと知り合いだよね?」
「瑞希?」
「うん……。 うわさで聞いたけど、あの子って一ノ瀬くんに振られ続けてるんでしょう?」
「……あ、もしかして陽くんのこと調べて……」
勘のいい由美がひらめく。
その様子を見て、あたしも奈菜も想像ができた。
そっか、それだけ強気でいられる瑞希ちゃんなら、嫉妬でやりかねない。
たぶん……瑞希ちゃんが陽とあたしの関係に気づいた。
それが発端。
「瑞希しかいない」
「あたしもそう思う」
犯人は見当がついたものの……
どう、対策を取ったらいいのかもわからない。
はぁ、つらいな……。
「モテる男の彼女もつらいね、絢」
「つらいですよ……」
「絢……」
奈菜もあたしを心配している。
そして、ふたりがあたしの頭をよしよしとなでる。
今日のことは、忘れよう……。
明日から続いても我慢しよう。
それが、あたしの出した答えだった