それでも、姫依でも戻せないことがあった


それは、笑顔だ


心からの笑顔なんて中学の時に忘れた


あの初恋以来、あたし心から笑ったことあったっけ


それを・・・健太君が教えてくれた


健太君を好きになり始めてる


そんなのあたし自身が一番分かることなの


認めたくない


絶対好きにならない


あたしは、優莉を立派に育てるために恋もおしゃれもすべて捨てる


普通のお母さんとして、優莉を育てる


この子が、せめて大きくなるまでは・・・


「振れ・・・あ――――ぁっ」


優莉が目を冷めて泣きだした


すぐさまあたしは優莉を抱き、揺らす


「あたしここに居るから大丈夫だよ。ずっとそばに居るよ」


優莉の頭をなでながら、優しく微笑んだ


恋愛にだらしないあたしを戻したのは姫依


笑顔をくれたのは健太君


微笑みを優しさをくれたのは優莉


そして、悲しみを教えてくれたのはママだった