「あ、ありがとうございます」


顔をあげると、そこには健太君の姿があった


「莉子!?」
「健太君!?」


あたしたちは同時に目を見開いた


「なんでいるの!?」


健太君との共通点


それは、同じ日に母親を亡くしたこと


あたしの家は女の子、健太君家は男の子が生まれた


両方とも、母子家庭だった


でも1点だけ違った


健太君には、お父さんがいた


あたしには、お父さんがいない


「いいじゃない、お父さんがいるだけで。あたしなんて独りぼっちよ?」


そ―言って笑ったあたしを健太君は


「お前へんだなぁ、独りぼっちなのになんで笑ってんだよ」


そ―言って健太君があたしの髪の毛をぐちゃぐちゃにした


「いいよ」
「へっ?」
「泣いてもいいよ?俺しかいないから。安心して泣けよ」


彼の言葉は魔法だ、あたしは人目も気にせず彼の腕の中で泣いた