あたしは急いで慎ちゃんを探した


慎ちゃんは車に乗って携帯をのぞいていた


車に近寄って窓をコンコンと叩いた


慎ちゃんが急いで窓を開けてくれた


「どした?なんかあったか?」
「名前決めたわ!」
「何にしたんだ?」
「ママの優とあたしの莉で優莉(ゆうり)」


名前を聞いて、慎ちゃんが笑った


「そっか、莉子なりに考えたんだな」
「そうよ!いい名前でしょ?」


慎ちゃんがあたしの頭をなでた


「俺今から、用事で来たから先帰るな!ちゃんと帰れるか?」
「大丈夫よ!そこまで子供じゃないわ」


今度はあたしが笑って、慎ちゃんを送りだした


見えなくなるまで、慎ちゃんを見送った


後ろを振り返って、病室へ帰ろうとした時


ベンチに一人のとこの人がすわっていた


あたしと同じくらい?


「・・・ズズッ」


泣いてるの?


「あの・・・これ使ってください」