「....可愛い」


あの後、慎ちゃんにお願いをした


“赤ちゃんのところに連れて行って”


ママの手紙を読んで、強くなることをママへ誓った


あと、笑顔で赤ちゃんに会いたいって思った


ママが死んだ事は、赤ちゃんに罪はない


だから、あたしは自分の子供のように赤ちゃんを愛し抜こうって思った


愛して、うざがられても愛して愛して愛しまくるの


「はじめまして、お姉ちゃんだよぉ」


赤ちゃんに近寄って、赤ちゃんの手の上に人差し指を置いた


あたしを離さないとでも言うように、あたしの人差し指をぎゅっと握った


「・・・っ、ありがとう。生まれてきてくれて」


この子はあたしが立派に育てる


「一緒に2人でがんばろうね」
「莉子、名前はどうするんだ?」
「名前?」
「おぅ!莉子が決めなきゃだめだろぉ、1週間以内に決めとけよ!」


そ―言って慎ちゃんは、病室から出ていった


・・・名前


この子の名前あたしが決めていいの!?


どうしようかな・・・莉子・・・優子・・・


“優莉”


ママの“優”とあたしの“莉”


少しでも、ママとのつながりがほしかった