ママの長い長い手紙を読み終わって、封筒に便箋を入れようとした時、


なにかが引っ掛かって便箋が中に入らなかった


封筒をさかさまにして、それがなんなのかを確かめた


手の上には、ママがつけていたパパの形見の結婚指輪のネックレスだった


ママのとパパの結婚指輪


ねぇママ、これあたしが持ってていいの?


『あたしこれ一生大事にするからね』


心の中でママに話しかけた


一度目を閉じて、あたしは考えた


あたしがママになるってことは、強くならなきゃいけない


どんなに周りの人に白い目で見られても泣いちゃだめ


赤ちゃんを守れるのは、あたししかいないから


強くならなきゃ


強くなって、いいママになるんだ


「慎ちゃんの願いがあるの・・・」