「今日は帰っていいわよ」
「いえ、佳奈ちゃんが待ってますから、佳奈ちゃんの診察が終わったら帰ってもいいですか?」


躊躇しながら院長先生にお願いしてみた


チラッと院長先生の顔を見ると院長先生は微笑んでいた


「ありがとうございます」


急いで白衣を着て診察室へ向かった


少し立ってから佳奈ちゃんが一人で入って来た


「こんばんは佳奈ちゃん」


佳奈ちゃんはちょっと見ない間にお母さんの顔になっていた


「佳奈ちゃん、実はねあたしも佳奈ちゃんの仲間なんだよ」


舌を出してわらったあたしを佳奈ちゃんは大きな目をもっと大きく見開き、嬉しそうに微笑んだ


「本当⁉お姉ちゃん今何週目?」
「今5ヶ月目!」


この後佳奈ちゃんと2人で喜び合った


「お姉ちゃんはいつまでお仕事するの?」
「そうだなぁ、妊娠30週目になったらかなぁ」


かなちゃんとしょうらいのことを離しながら診察した


「じゃ、また1週間後に来てね」
「あ....のさ、もしもの時のために電話番号とアドレス教えて欲しいな」


佳奈ちゃんは顔を少しだけ赤くしてあたしの方に振り返った


「ふっ、いいよ。いつでもかけてきな」


紙に電話番号とアドレスを書いて佳奈ちゃんに渡した


佳奈ちゃんは嬉しそうに帰って行った