「とにかく、姫依は家で預かりますから」


一方的にぶちっと電話を切った


姫依は心配そうにこっちを見ていた


「大丈夫よ、絶対別れさせてやるからね」


姫依に優しく微笑んで、姫依の形態の電源を切った


それを見た姫依はホッとしたような笑顔を作った


こんなよわった姫依初めて見る、いつからこんなに彼女は弱くなってしまったんだろう。


あんなに元気だった姫依はどこへ行ってしまったの?そんな姫依を変えたあなたが憎くてしょうがないよ


昔の姫依を返してよって今すぐ殴りに行きたい


でもあたしが言ったところで何もできないだろう


彼はあたし以上の凶暴なこぶしを振りおろしてくるだろう


「莉子、姫依家に帰りたくないよ」


姫依が必死であたしに訴える


「返すわけないじゃん、あたしの家に居ればいいよ。迷惑なんて思わないから、ここにいなね?」


姫依の髪の毛をクシャッと撫でて、ご飯を食べ進めた


ご飯を食べ終わる頃には10時を過ぎていた


「姫依お風呂沸かしたから入ってきな」


あたしが姫依に自分のスエットを差し出すと姫依は首を横に振った


何で?と訪ねると姫依は下を向いてしまった


言いたくないんだね


「分かった!姫依お風呂入らなくていいからもう寝な?最近ろくに眠れてないんでしょ?」


姫依を二階のあたしの部屋へ向かわせてからあたしはお風呂に入った


お風呂からあがると姫依は布団の中で小さく丸まっていた


姫依の背中こんなに小さかったっけ?


あたし以上に大きく見えた姫依がいまはこ猫のように弱弱しく見える