未だに姫依の形態は鳴り響く


姫依に視線を向けて人差し指を口の前にもってきた


声出しちゃだめだよっと合図を出したあたしに姫依はうなずいた


そしてうるさく鳴り響く携帯を耳に当てた


「姫依!お前どこにいんだよ!」


でてそうそう怒鳴り散らす彼氏


あたしは黙って彼の話しを聞いていた


「こんな家出みたいなのしてぶっ殺されてぇのか!?」


ぶっ殺されたいだなんて


「莉子です」


あたしが声を発した瞬間彼が慎っと静まり返った


「なっなんだ、姫依莉子ちゃんちに居るのか」


ははっと笑って彼はごまかしたつもりだろう


でもあまい、あたしはそんなバカじゃないよ?


そんなんでごまかせる相手じゃないのはあんたがよーく知ってるだろ?


「どういうことですか?姫依を殺す気ですか?」


冷静に話をするあたしを黙って聞いている彼氏


「姫依を苦しめて楽しいですか?姫依が苦しんでること気にしないんですか?」


どんどんあたしの感情がコントロールできなくなってくる


「姫依を苦しめて何が楽しいのかって聞いてんだよ!!!」


男勝りの怒鳴り声になっていくあたし


姫依のことになると我を忘れる


「姫依を返せよ」
「返すわけないでしょ!?」


こんな状況なのにはいそうですかって姫依を返せるわけないじゃない!