「あなた・・・健太君?」


顔をあげて、その人の顔をのぞくと健太君がいた


「え?俺のこと知ってる?」


健太君が、キョトンとしていた


「あれ?姫依から聞いてないの?」
「あー、あの子・・・じゃぁ莉子ちゃん?」


健太君もあたしの名前知っていた


あたしは首をコクント縦に振った


「なんで泣きながら走ってたの?」
「知らない人が・・・家に上がり込んできたんです」


あたしは、健太君の前で涙をもう見せないと決めた


「あたし、警察に言わなきゃ。じゃぁ」


健太君の胸の中から起き上がって、健太君から離れた


どうしよう・・・警察来てるかなぁ


戻ったら、警察がいっぱいいた


そして、さっきのおじさんが捕まっていた


「君、小宮山莉子ちゃんだね?」


警察官の人に、名前を尋ねられてあたしは首を縦に振った


「状況説明してくれるかな?」


そ―言われて、あたしはさっき会ったことをすべて話した


警察官の人は、『怖かったね』と言ってあたしの頭を2回ほどなでて帰っていった


警察の人をじーっと見ていると、『莉子っ!?』と呼ばれた


呼んだのは、ママだった


「ママぁ~・・・っ」