診察は一通り終わって、今度は花菜ちゃんと2人でお話しする時間だ


「お母さんは席をはずしてくださいますか?」
「何でですか?!」
「これは彼女とあたしの話しなんで、お母さんに居ずらいことだってあるでしょうし」
「分かったわ、お母さんお買い物してくるからね佳奈ちゃん」


花菜ちゃんはお母さんのほうを向かずにあたしのほうにずっと向いていた


お母さんが出て行ってあたしは話しだす


「いつ性行為したかな?」
「1か月前ぐらい」


1か月前か


「そっか、本当に1度だけなんだよね?」
「はい、一度だけです」


そっかそっかと合図ちを打ちながらあたしたちは話していた


「産みたいの?産みたくないの?」
「産みたい!あたし、彼とのこの子を産みたいの」


彼女の瞳に嘘はなかった


「そっかぁ、あのね佳奈ちゃんの身体はね赤ちゃんを産める体だけど思春期だしまだ体が未発達の」


あたしの言葉を真剣に聞いてる佳奈ちゃん


「未発達だから、佳奈ちゃんの身に危険が起こることがあるの?それでも産みたい?」
「あたし、この子埋めるんだったら死んでも構わない」


佳奈ちゃんの意思は固いようだ


「そっか、そうだよね!大切な彼との子だもんね」
「うん。あたし絶対ママのこと説得する、だからあたしの出産手伝ってね!」


彼女が決意した目をあたしに向けてきた


彼女ならできる、そう思った


「当たり前でしょ?あたしは助産師だよ!お母さんと赤ちゃんの出産を手伝うのが仕事なんだから!」


彼女の幸せそうな顔を見てあたしはホッとした


いつも普通の患者さんだったらすぐに落とすとか泣いたりするんだけど、彼女はちゃんと自分の意見をもってる


彼女なら大丈夫、そう思った