「ほんとだ、よかったじゃない姫依」
「何言ってるの?莉子も一緒に行くんだよぉ」
「何であたしまで行かなきゃいけないのよ」
「健太君が、莉子に逢いたがってるんだってぇ」


健太君ってあの黒髪君?


「あたしに会いたいっていう人がまだいたのね」


あたしは一人で感心していた


だって、あたしに会いたいなんて言う人もういないって思ってたし


「もちろん行くよね、莉子?」


姫依・・・目が怖いよぉ


「分かった、分かったから」


あ―――、了承してしまった


「やったぁ~、ダブルデートは明日だからね!そ―言うことで今日は帰る」


日程だけ話して、姫依は帰っていってしまった


帰るの早っ!


もー、どこで待ち合わせなわけ!?


わけわかんないよ姫依~


「慎ちゃん、あたし帰るね」
「おぅ!また来いよな」


慎ちゃんに手を振って別れた


最後まで慎ちゃんはいつも笑顔だ


最後まであたしの姿が見えなくなるまで、手を振ってくれてる


慎ちゃんの優しさに惚れる女はいないんだろうか


あたしがもし、慎ちゃんのいとこじゃなかったら恋してるかも