睨みつけるその目にあたしは後ずさりしてしまった


だめっ!ここで諦めたら、健太君はあの女の人たちに奪われてしまう


怖いのをぐっとこらえて、あたしは彼女たちの前に立った


「あたし、あたしは‼健太君の彼女です‼」


涙なんか流さない、怖いなんて言わない、おびえた表情なんか見せない


絶対負けない、あたしはこの恋を大切にするって決めたんだ


「はぁ~?彼女いないっていってたじゃんか健太君‼」


....え、彼女いない?


まって、あたし彼女じゃないの?


あれ?頭回らなくなってきちゃった


どういうこと....


頭が真っ白になってるあたしに、彼女たちがとどめを刺した


壊れかかっていた心が、音を立てて崩れた


「何自意識過剰になってるわけ?きっも。キャハハハハハ」


....自意識過剰?


キモイ?


あたしの眼から大粒の涙が落ちる


本当に、健太君はあたしが彼女じゃないって言ったの?


健太君、この指輪は...何よりの証拠じゃないの?


今日これくれたよね?


あたし、嬉しかったんだよ?


すごくすごく、幸せを感じたんだよ?