健斗君を近寄らせて、丁寧に泥をはらった


払い終わって健斗君に『もういいよ』と言うと、すごく見つめられた


「け、健斗君?」


何々!?なんでこんなに見つめてくるの?


「りぃ、ありがとぅ」


一瞬の出来事だった


健斗君があたしのほっぺたにちゅぅ~としてきた


当然あたしは固まってるし、優莉は『きゃっ!』と言って顔を覆ってる


「も、も~やだなぁ、健斗君ったらぁ」


あたしがそ―言うと、健斗君は笑った


3人で笑い合ってると、ジャリッと言う音が聞こえた


ビクッと肩が揺れて、ゆっくりと振り返った


健太君の顔を見るのがすごく怖い


後ろで静かに何やってたんだろう


恐る恐る振り返るとそこには、目を疑う光景があった


健太君が若い、本当に若い女の人たちに囲まれてる


すごく楽しそうに話していた、こっちなんて気にしてないように


すごくすごく腹が立って、自然と涙がぼたぼた落ちた


もう我慢ができなくて、あたしはすっと立って健太君に近寄った