「彼ね、城南高校の人なんだって!」


姫依の恋バナトークが始まった


姫依が恋をすると、いつもこうなる


一人で喋って、一人で興奮して、最終的には


「いたっ!」


道端でこけるんだ


「またぁ~?姫依浮かれるの良いけどちゃんと歩きましょうね~』


姫依をバカにするかのように、あたしは姫依に手を差し出した


「あとね!姫依がかっこいいっていってた人ね小嶋 愛斗くんっていうんだって」


小嶋愛斗くんねぇ~・・・


「女の子みたいね?」
「でね、その隣に居た黒髪君は岩倉 健太君っていうらしいよ」


健太君・・・彼健太君っていうんだ


これが、あたしと健太との出会いだった


「もう一度会えるかなぁ~」


姫依がそ―言って、微笑んだ


「逢えるんじゃないの?だってメアド交換したんでしょ?会いたいって言えば逢えるじゃない」


姫依は『そうだけど、勇気いるじゃん』と言った


「勇気ねぇ~」


勇気なんて、久しぶりに聞いた


何事も挑戦しながら生きてきたあたしだけど、勇気なんて出したことなんてなかった


そんなあたしを、健太は変えてくれたね