「じゃ―姫依話してきなよ。あたしここ座ってるから」
「えー、最後まで来てくれないの?」


だってめんどくさいし


姫依には悪いけど、あたし男に今興味ないんだよ


姫依は、あたしの袖を掴んで


「行こうよ~」


と言っている


「すぐそばに居るじゃん!ここで見守っててあげるから!」


自分の袖から姫依の手を離して“行って来い”と言った


「もー、莉子の意地悪!いいもん、姫依一人でいけるもん!」


あちゃ―――・・・姫依怒っちゃった?


すねちゃった?


姫依の後ろ姿を見ながら、あたしは携帯をいじっていた


「電車が止まります、ご注意ください」


そ―言って、電車がストップした


人がぞろぞろ出入りしている


これ以上いっぱいになったら暑苦しい!


そんなあたしの言葉をききいれてくれるはずもなく、どんどん人がはいってくる


しかも!あたしの目の前になった人は気持ち悪いサラリーマンだし!


電車がスタートして、揺れるとその男も前に揺れる


気持ち悪い!