「とーちゃーく!」

陽介が見上げている物に目を向ける。

「え…。一軒家!?」

「あー。俺、実家暮らしなんだよねー。」

てっきり一人暮らしだと思ってた;

「じゃあお母さんとかに会うの!?
もっといい格好にしてくれば良かった…。」

家族に挨拶なんて…どうしよう!!

「今日、いないけど。」

「え。」

陽介の言葉に体が固まる。

「ま、早く入ろ?ファンとか家、
知ってるから見つかったら大変だし。」

言われるがまま私は家の中に足を踏み入れた。