高校デビューを狙っていたわけじゃない。
でも高校生になれば自分はかわれるとどこかで思っていた。
結局変わらなかったが。
明日は卒業式。
仲のいい後輩がいるわけじゃない。
迷惑を掛けた先生がいるわけじゃない。
でも涙が出た。
離れたくない友達がいるわけでも、大好きな人がいるわけでもない。
それでも涙は流れた。
そしてやっと気が付いた。
明日がこなければいいなんて願ってしまったのも、例えばの話をしたのも全部大事だったから。
高校生活が。
高校生活は私にとってかけがえのないものになっていたのだった。
私は、ここから離れるのが嫌だ。
やっと気付いた。
遅すぎた。