「楓……俺達、バラバラになるんだ」

「…………」

「楓はそれでいいの…?」

「…………」

「俺は………やだよ」



 俺の言葉に、何も答えない。


 それでも―――



「一緒にこの家に残ろう」

 その言葉に、ゆっくり楓は俺に目を向けた。



 俺は手を差し伸べ、優しく彼女の手を握った。




「今まで楓に言ってなかった事がある。

 ……俺と楓は、“双子”なんだよ。本当の兄妹なんだ。

 俺は楓と同じ、母さんと父さんの子だったんだ。

 今まで言わなくて……ごめん…」



 楓を見れなかった。



 突然知らされた事実。

 こんな時に知らされるなんて……