病院に着いた時には、すでに二人、息を引き取った後だった。



 居眠り運転のトラックが反対車線の父さんの車に突っ込んできて………二人、即死だった。





 泣き叫ぶ楓を見て、俺は、数年前の自分を想い出していた。



「置いてかないで!」と叫ぶ楓。



 ………一人ぼっちだと。


 自分には、もう何もないんだと……彼女は絶望してる。







 まだ一人じゃないと……双子の俺もいると、伝えたい。


 俺も一人じゃないんだと………確認したい。





 父さん………母さん……!



 どうしてまた俺の大事な人がいなくなるんだ…っ?!