確か、楓に伝えたんだ。事故の事を……。


 楓は持っていた荷物を落として放心状態になった。



 俺は財布を持って楓と電車に飛び乗った。

 その間、楓の手をずっと握って。






 嘘だろ………。


 ………嘘でしょ…っ





 ――――お願いだから………

 お願いだから連れてかないで……





 もう家族を失うなんて嫌なんだ………!!










 電車の中、俺と楓は何も言わず、ただ、二人がいる病院へ向かう事だけを考えていた。