それは、今日父さん達が向かった親戚の家からの着信で。


 ズラッと並んだ番号に、血の気が引いた。






「皇…? 誰からだったの?」

「あっ 親戚の叔父さんからだった」


 慌てて手で隠す。

 楓は不思議そうな顔で、玄関に置きっぱなしの荷物を取りに行った。




 小さく深呼吸をする。




 ―――大丈夫だ。


 きっと母さん達が着いたという連絡だ。だから……




 震える指でゆっくり受話器を手にして、リダイヤルに指を伸ばした瞬間―――



………プルルル………プルルル…………




 それは、叔父さんからだった。