「誰から?」

「母さんから。戸締まり気をつけてだって」

「そう…」



 楓は電話の内容がなんとなく分かったんだろう。

 クスクス笑ってる。



「夕飯外で食べてくるか」

「……私が作ろうか?」


 その言葉に、俺は大きく頷いた。

 楓は恥ずかしそうだ。



「……じゃ、帰りに買い物行かないと…」


 小さく呟いた言葉に、俺は笑ってしまった。





 恥ずかしがる楓の可愛らしさ。



 これが“兄”なら手を取り繋ぎたい。

 でも……

 俺達は“従兄弟”だ。


 年頃の俺達には、許されない。