「…ほら、怪我してるじゃないですか。」


おおう、暴かれてしまったか。これはこれは…俺の敗北だぁ!


「何だ、ばれちゃったか。…でもこれぐらい大丈夫でしょ。…………多分」


「最後の多分ってなんだ!つーかてめぇ怪我してんなら最初から言えや!」


「ふっ。土方さんでもわからない俺の演技は素晴らしい!」


隊長にはばれてしまったが…だが土方このやろーには暴かれなかったのだ。これは凄いと言えるべきだろう。はっはっは!

その笑いが気に食わなかった人が一人いた。…そう土方である。額には青筋が浮かんでいた。


「…てめぇは俺を怒らせたいみたいなんだな。」


「何言ってるんだい、土方さん。俺はそんなこと一言もいってないだろう?」


「……こんの!」


土方と雪がまた言い合いしそうになった瞬間に止める人物が一人いた。


「ま、まぁまぁ歳。許してやろうじゃないか、なっ?…それと雪君もあまり歳を怒らせないでくれ。」


「…近藤さん。」


「は~い!わっかりましたぁ~!」


宥める近藤さんに近藤さんの名前を静かに呼ぶ土方さん。近藤さんの言葉に手を挙げて賛成する雪にその3人の様子をにこにこ笑いながら見ている沖田。

これが当たり前の光景になりつつなると思うのは俺だけだろうか。


「やっぱり近藤さんは優しいですね~。」


「あ!俺も隊長と同意見でっす!」


優しい優しい近藤さん。いや~いいね。


「お前なんでそんなに明るいんだよ!怪我痛くねぇのか?」


「何ですか土方さん!明るい俺は嫌なんですか?それよりも!怪我は痛いに決まってます!ちょっとしたことでも痛い痛いと言う俺ですよ?」


「いや、知らねえよ!つーかてめぇその脇腹のこと痛いなんて言ってなかったじゃねぇか!ちょっとことでも言うんじゃねえのかよ!」


「何言ってんですか!?これぐらい陰で言う痛さですよ!」


「お前のちょっとした痛みってどんぐらいだ!」


……俺もわからんよ。