そう言えばとふと思い出す。…あいつらは大丈夫かな?と。

唯一、自分の名前を「雪」と呼ばしていたあいつら。

俺より年上で長身だったあの二人。


「…大丈夫の筈だが。」


「あ?なにか言ったか?」


「言ってないよ。もしかして空耳でも聞こえたのかい?」


「うっせぇ。…それより、本当に脇腹怪我してんのか?」


「してねぇよ。何言ってんだよ。大丈夫か、土方さん。」


忘れろよ。言い合いの時に忘れてろよ。なに思い出してんの?なに言っちゃってくれんの?大丈夫?


「本当か?…おい、総司。」


「何ですか、土方さん。せっかく近藤さんと喋ってたのに邪魔して。」


渋々返事を還す隊長の態度はいつものことなのか土方さんはまったく気にしていない。だが、こんな態度でも隊長が土方さんを大事に思っていることはわかる。


「いや、こいつは本当に怪我してんのか?軽口ばっかりで元気そうだが。」


「してますよ。まだ疑ってんですか?」


「してませんよ~。俺のどこを見て怪我をしているように見えるんですか。」


まったく。俺はいつも通りに接している筈なのに。まぁ俺のいつも通りはわからんよね?会って間もないし。

それにしても…隊長は流石と言うべきだろうか。侮れない。

仲間ならば凄い戦力だ。そしてここでは強いのだろう。…信頼している感じだしな。


「…嘘はいけませんよ?」


「嘘じゃないですよ~隊長。」


「………失礼。」


「って、何すんのさ!隊長!………痛っつ!」


突然脇腹を触って来た。そう来るとは思っていなかった俺は反応しきれなかった。…おお、不覚!

つーか痛い。何するの、隊長!俺は痛いのは嫌いなんだよ!……あー痛い。