お父さんっぽくて微笑ましい。


「…うん。食べやすいから。…………ありがとう。」


「いえいえ。…あ、熱いから気を付けなよ?」


「はーい。……あ、じゃあふーふーして?」


どうしてだろう。甘えたくなってしまった。優しいからなのか、そうなのか?


「いいぞ。なんか、息子を持ったみたいだ。」


「あはは。じゃあ、近藤さんはお父さんか。」


近藤さんが冷ましてくれたおかゆを食べる。これで微笑ましい家族みたいな光景が完成だ…!と思ったが、一人の人物を忘れていた。ありゃりゃ。


「お前ら、俺を忘れてねぇか?」


「そうですよ。土方さんが可哀そうです。あ、近藤さん私にも食べさせて下さい。」


…あれ?二人の声がする。そう思ったがなんとなくわかった。


「あー隊長だ。」


沖田隊長だ。会うのはまだ二回目だが、二回ともこの人が三人の中で一番最後に来るな~と心の中で思う。


「岡村さん、大丈夫ですか?今までずっと寝ていたんでしょう?」


「ええ、お陰さまで。…こんなに寝て、俺ってば寝不足だったんかな~?」


いや、原因はわかっているが寝不足で通す。うん、絶対に。俺が怪我をしていることは現場にいた近藤さんしか知らないし、言うつもりもない。


「何言ってるんですか?…貴方が寝込んでいたのは、その怪我でしょう?」


脇腹を指で指しながら言ってのける隊長。…なんでわかったんだ?言ってない筈だし、いつもの俺通りに軽い言葉を発していた筈だ。


「…何のことかな~?もう隊長ってば~。」


あははと笑いながら何もないように振る舞う。その為、あの日よりは痛くないが、やはり痛みが伝わって来たがそれを外面に出さずにやり過ごす。


「ああ?おい、総司。こいつが怪我をしてるって?」


何でお前まで反応するかな?おい、土方さんよ~。と思いながら近藤さんに食べさせてらっているおかゆを黙々と食べる。近藤さんが怪我をしていることをしているからどうすればいいのか困ったような顔をしていた。