近藤さんが出て行って少しして、土方さんが近藤さんを訪ねに来たのかここに入って来た。入って来る時に「近藤さん、ちょっといいか?」と言ってたので近藤さんを訪ねに来てたのけどね。
その返事を俺が「どうぞー。」と返したらパーンと音を立てて彰子が開かれた。
「お前まだ寝ていたのか。さっさと起きやがれ。」
「無理でーす。あはは。」
軽い調子で言っていたら土方さんはどんどん語気を荒げて言い返してきた。それをまた軽い感じで返事を返していた。
「働かねえ奴なんざここに必要ねぇんだよ。」
「誰も働かないって言ってないじゃないですかー。まったく、これだから土方さんは。」
「ああ?どうみてもただ寝っ転がってるだけじゃねぇか。新入隊士なんだから働けや」
「明日からやるいますってば。…それより、何よその言葉遣い。母さんはそんな子に育てた覚えはありません!」
「俺もお前に育てられて覚えがないな。」
短気で怒りやすいが、怒りに任せて我を忘れるような人ではない。冷静に返してくる。そこは結構気に入っている。
「……あ、近藤さんなら少し前に出て行きましたよー。」
「なんでお前が知っている。」
「さっきまでお話してたからに決まってんじゃないですかー。」
あははと笑いながら土方さんの言葉に返答しているとはぁぁと溜め息を吐かれた。はて、なんでだ?
そうこうしていう内に、近藤さんが食べやすいようにかはわからないけどおかゆを持って部屋に来た。
「おお、近藤さーん!」
「近藤さん?…っておいおい、なんでおかゆなんざ持ってんだよ。…もしかして。」
チラリと俺の方を見た土方に近藤さんはゆっくり頷く。
「そうだ。これは雪君のだよ。はい、雪君おかゆでよかったかな?」
膳に乗っているおかゆを俺に渡して笑顔で聞く近藤さん。
おかゆには湯気が出ていて多分、作ったすぐなんだろうと思う。