ちょっと待ってて。


俺は売店でクシを買った。


はい。これで綺麗にして。


何度かクシを通し、


どぅ?


おぉ!バッチリ!


じゃあ、行こうか。


外に出ると、母さんは、眩しそうにしていた。

病院一周しよっか。


車椅子に乗った母さんは、桜の木ばかり
見ていた。


あっと言う間に、
一周した。


ちょっと寒いね。
部屋帰ろうか。


屋上行きたい。


屋上?
わかった。ええよ。


エレベーターに乗り、屋上に着いた。

屋上は、洗濯物で
いっぱいだった。


洗濯物を通り過ぎ、
一番外側まで行った。

景色は、抜群に良かった。


母さんは、遠くに見える、海を見てるのか、ただ、じっと遠くを見ていた。


俺も、ベンチに座り、母さんの気が済むまで景色を見ていた。


しばらくして、母さんが俺を見た。


戻ろうか。母さん。


軽く頷いた。


部屋に戻り、車椅子から母さんを降ろし
ベットに寝かし、車椅子を片付けた。


母さん疲れた?


大丈夫。


少し寝れば?


小さく頷き、目を閉じた。