うん。

母さん歩ける?


歩くのは無理。
車椅子でないと。


じゃ、車椅子持って来るね。


ひでちゃん。
午前中に、先生が来て診察があるから、
診察終わったら行こ。

わかったよ。


その時、俺は、ある事に気付いた。
それは、トイレと風呂と洗濯物だ。

歩けない母さんが、
どうやってしているのか。


母さん、


んっ?
何?


母さん、トイレは?


母さんは、じっと俺を見て、ベットの横に
視線を下ろした。


母さんが見た所には、管がつながっている
袋がベットに掛かっていた。
中には、液体が入っている。


俺は何も言えず、母さんを見た。


トイレに行けないから、管を通して、自然に出る様になってるの。看護婦さんが、定期的に、袋を見にきてるよ。
後はオムツ。

これも看護婦さんに
してもらってる。


洗濯物は?


育恵さん。
一週間に一回ぐらい来て、洗濯物をやってくれてる。

えっ!育恵おばさんが?
ここまで一時間半、
ぐらい掛かるのに?

だって、お願い出来るの他にいないから。