俺は、車椅子に乗った母を押して、校門に
向かった。


ひでちゃん、恥ずかしいだろ?
ごめんね。


母は、また泣いていた。

ごめんね。こんな母さんで。


母は何度も俺に言っていたが、
俺は返事をしなかった。
出来なかった。

目に溜まる涙が、
落ちない様に、堪えるのがやっとだった。


明日から学校も無い。
明日から俺が母さんのそばにいて、
元気になるまで、
ずっと看病してやる。
そぅ心に誓った。