列の一番最後に、
俺は行き、皆が出て行くのを待っていたら、担任の先生が近寄って来た。


神田。

やっぱり話し掛けて来た。

何だょ!
うぜーから、あっち
行ってろ!


お母さん、来てるぞ。

はっ?!何処に。


俺は、外を見渡した。

人込みの中、車椅子が見えた。


母さん。


俺は、母が乗っているであろう
車椅子に走って行った。

母さん。


あっ!ひでちゃん。
何とか間に合ったわね。


母は、前見た時よりも一層痩せていた。
服も、パジャマで、
髪もグシャグシャだ。
何で来たん?
一人で良いって言ったろ!


うん。
でも、どうしても、
ひでちゃんの卒業姿が見たかったの。
ごめんね。
こんな汚い格好で来て。


どうやって来たん?


タクシーに乗って来ちゃった。


バカ。勿体ねぇな。


ひでちゃん、
卒業おめでとう。


母は泣いていた。


じゃあ、もう病院戻るね。

涙を拭き、母は
タクシーに行こうとしていた。


母さん、せっかく来たんだし、一緒に校門出よ。


いいわよ。母さん、
こんな格好だし。


いいから。


俺は、車椅子を押し 列の最後に付いた。


さっ!行くぞ。