父じゃない!

母さんだ!

じゃ、今日は、ありがとうございました。
婆ちゃんが笑顔で霊媒師の人を見送っていた。

また何かあったら連絡下さい。

はい。
運転、気を付けて下さいね。

では、これで。 秀利君、じゃあ、またね。

霊媒師の人が俺に手を振っていたが、俺は、それどころじゃない。
母さんが具合悪くなったのは、俺のせいだ!

婆ちゃん!

ひでちゃん。
もう、帰るよ。

婆ちゃんってば!

ひでちゃん、何?


母さん、何処の病院に入院してんの? 今から連れて行ってよ。
今からじゃ、夜になるよ。

いいから、お願い。
母さんに、会いたい。

わかったわ。


俺達は、病院に、向かった。
病院に着いたのは、 夕方6時を過ぎたぐらいだった。

エレベーターに向い
4階に着いた。
母さんは、内科の4階に、入院しているらしい。
入院患者を見ると、 皆、点滴を、打ったまま歩いていたり、車椅子で、移動をしている人が沢山いた。

母さんの事が、
より一層心配に、なりながら、廊下を歩いていた。

神田佐緒里。

母さんの、名札が
入口に貼られていた。
ここだ。

一人部屋らしかった。