で、写真を見たら、
狐が、しっかり憑いてたわ。
すぐに御払いしたけどね。
お父さんは霊が憑きやすい体質なのかもね。
話を聞いて、俺は安心した。

母さんじゃなくて、
良かった。

なら、母さんが、今
入院してるのは、本当に具合が悪いだけなんだよね。

婆ちゃんは、笑顔で

うん。だから、すぐ
良くなって退院すると思うよ。

良かった。本当に良かった。

俺は、心から、そう思った。


霊媒師の人が、御札も貼り、帰ろうとしている時、

俺は、一つ聞きたい事があった。

あの~。

霊媒師の人が、振り返り
なに?秀利君

一ついいですか?

はい。

やっぱり霊は夜に良く見える物なのですか?

霊媒師の人は少し考えて

丑三つ時って、聞いた事あるかな?

丑三つ時?

うん。
霊が悪さをしない様に見張ってる神様がいるの。
その神様が、一日の中で、その一時間だけ、眠りにつくの。 時間で言ったら、
夜中の二時から、三時ぐらいよ。
その時間帯は、霊の力が強くなると言われているわ。
だから、霊が見えるのかもね。
でも、この家に居たら大丈夫!

何故ですか?
霊の通り道なんでしょ?
何故、大丈夫なんですか?


霊媒師の人は俺を見て
ニコッと笑った。

秀利君が、いるじゃない。
あなたには、強い守護霊が憑いてるのよ。 ちょっとや、そっとじゃ霊も悪さ出来ないわ。
だからお母さんも、大丈夫なの。
秀利君が居るから。


じゃ、じゃあ、もし その丑三つ時って時に俺がいなかったら、 どうなるんですか?

俺は慌てて聞いた。

二時から、三時って
言ったら、
俺は夜、抜け出して、遊んでいたからだ。

う~ん。簡単に言ったら、この家の中に入った、悪い霊は、
悪さし放題だったかもしれないわ。

俺は呆然とした。