ましては霊が下りて来て、
家の中に入りなさい、と言わんばかりに、
ドアがあるじゃない!
しばらく霊媒師は、そのドアを見ていた。

ここのドアから家に入ってもいいですか?

ど、どうぞ、お入り下さい。

婆ちゃんは、慌てて言った。

霊媒師は裏のドアから家に入って行った。

来て下さい。

俺達は霊媒師が呼んだ所に行った。

ドアを入り階段が、
ありますね。

霊達は生きていた頃の記憶でドアから入り、階段を上り、
壁をすり抜け、
また下に落ち、田んぼに向うしかない様になってるわ。
その途中、二階の部屋に悪さをしに入って来るの。
階段を上がってすぐ右にある部屋は誰の部屋?

親の寝室です。
その次の部屋は俺の部屋です。
左は兄の部屋です。

うん。階段上がって、すぐの部屋は、まずいわね。

階段上がってすぐの部屋がですか?

俺は聞いた。

上がってすぐだから
入りやすいのよ。

階段上がってすぐの部屋。
母が、ずっと使っている部屋だ。

御札を貼りましょう。
まずは裏口に一枚。

階段上がってまた一枚。
それで霊には、この家が見えなくなり、
この家を避けて通る様になるわ!

俺は、はっ!
と、母の事が頭に浮かんだ。


婆ちゃん、婆ちゃん!

何?どぅしたの?

もしかして、母さんが具合が悪くなったの
霊のせいじゃないか?

そんな事はないょ。

霊媒師の人が、その話を聞いて

今までの話を聞いた中では、
お父さんが一番危ないと思うわ。

何故?

俺は、父が家に、
あまり居ないので、
関係無い様な気がしていた。

実はね。

霊媒師の人が、鞄から父の写真を出した。
秀利君の、お母さんから、
写真が送られて来て、狐が、憑いてないか調べて欲しいと、言われてたの。