そぅ、秀利君を嫌う霊が沢山いるの。
秀利君を、家から追い出そうとしてるわ。

なんで俺なんです?

さっきも言ったけど
秀利君は霊感が強い。なぜなら、
秀利君の守護霊が強いの。
多分どこかお偉いお侍が付いてるわ。

お侍?

どの家でもそぅだけど、誰かしら強い守護霊が付いてるの。
その守護霊が、
外から入って来る悪い霊を追っ払うの。
でも、秀利君の家は、幽霊の通り道になっていて、
何体も幽霊が来るから、防ぎ切れて無い。

それで俺は何回も幽霊を見るのかなぁ。

きっと秀利君に、
嫌がらせしに来てるんだわ。
なるほどね。

じゃあ、どうしたら良いんですか?

私が御札を書きます。それで霊が家の中に
入れなくするしかないわね。

いつ、御札を頂けるんですか?

婆ちゃんは、慌ただしく聞いた。

御札を書いたら私が家に伺います。

あっ。そうですか。
来て頂くと助かります。

婆ちゃんは、ホッとした顔で頷いていた。

一度その家を見とく必要があるでしょう。

ありがとうございます。
これで少しは気が楽になりました。


ただ…。

何ですか?

婆ちゃんが聞いた。

沢山の霊が通っている筈だから、誰にも悪さをして無ければいいんですが。

まっ、御札を描いて
早急に伺わせてもらいます。

お願いします。
忙しい所、ありがとうございました。

いいえ。とんでもない。
早く見てあげれば良かったですね。
お気を付けて、
お帰りになって下さい。

じゃあ、失礼します。
ガチャ。

扉を閉め車に行った。

爺さん起きて。
帰りましょ。

おっ。おぉ。

車の中で俺は最後に霊媒師が言った言葉が引っ掛かった。

誰かに悪さをする…。
車に揺られ俺は、
ウトウトと眠った。