覚えていることは、無邪気に母の膝の上で笑うヨウと。


それを見ながら、黒いもやもやに戸惑う幼い風景。


「話せ・・・・・ない・・・・・。」


「信用・・・できねぇか・・・。」


ヒサがため息をつく。


「違う!わから・・・ないの・・・・。」


「何が、わからねぇ?」


「・・・ってない・・・・。」


「あ?」


「7年。・・・一度も・・・会ってないの・・・・。」


「!!?」


一筋の涙が、頬を伝う。


その涙は、首筋に流れ十字架へとたどり着く。


奥歯をかみしめ、考える。