彼女の身体に自分の上着を巻き付け、窓を開けた。

同時に彼女を抱えて窓から飛び出した。



空に浮かぶ満月が、宙に浮かぶ俺達を…この世界を柔らかく照らしていた。




彼女は知っているだろうか…


俺が恐れていたことを。


俺が彼女を愛するばかりに、殺してしまうのでは…


俺より先に彼女が死んでしまうことは確実。
俺は、彼女が死んだ時、どうすればいいのか…



悩んだことは、両手の指じゃ足らないほど…



涙したのは、覚えきれないほど…